01 ハロウィンなのにこんな事に

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 天野が前を見ながらニヤリと笑った。とてもいやらしい笑い方だった。 「何で笑うの?」  私が思わず首を傾げると、助手席の岡本が私の頬を手の甲でさらりと撫でた。 「だって倉田さんからお風呂の話題が出るんですから。一緒に入ろうって事ですよね?」  岡本が艶っぽく答えた。 「!」  一緒に入ろうものならどんな事になるかはすぐに想像出来た。私は頬を赤らめてしまう。 「あっ凄くエッチな事を想像しましたね?」  岡本が私の顔を見ながら茶化す。 「してないわよ」  私は口を尖らせて岡本の視線を逃れる様に反対側を向いた。すると天野が運転をしながら笑っていた。 「いいじゃないか別に今更だ。三人で森の中ゆっくりと風呂に入ろうぜ」  天野は茶化す事なく余裕で返してきた。  そんな風に当たり前に言われると頷くしかなくなるじゃない。岡本と天野の絶妙な会話に乗せられてしまった。  そこで岡本がコホンと咳払いをして人指し指を立てた。 「楽しみはつきませんね。そう言えば食事の後にゲームをする事になっているんです。是非参加して仮装以外にも楽しみませんか?」 「ゲーム?」  突然の岡本の提案に私は首を傾げた。  岡本は人指し指を立てて笑顔を貼りつかせていた。まるで営業の時にする顔と同じだ。  すると今度は天野が岡本の言葉に同調する。 「いいねぇ。折角だ参加しようぜ。ゲームで負けたら勝った奴の指示を聞くっていうのはどうだ? ちょっとした罰ゲームがあると楽しいし」  天野は緩やかにアクセルを踏みながら岡本と同じ様に笑顔を貼りつかせる。 「いいですね。そうしましょう」 「よし。決定でいいよな倉田」  岡本と天野は営業の時に使う笑顔のままで固まった。私に同意を求めるが、反対は許さない雰囲気に首を傾げながら頷いた。 「別にいいけど。もちろん私が勝ったら指示出来るのよね?」  何だろう。二人は何か企んでいる気がする。私は二人を見比べながら怪しむ。  どんなゲームかわらからないが、私が勝てば問題ないだろう。それに命令か、お願いが出来るのだろうし。 「もちろんさ。倉田の命令か。例えば抜かずに二回目とか」 「もちろんですよ。倉田さんの命令ですね。例えば露天風呂で景色を堪能しながら挿入とか」 「それじゃぁ私が罰ゲームを受ける側じゃないの!」  私は口を尖らせて後部座席に深く座り込んだ。  
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