行き倒れていた男と極寒の夜に一つのベッドで温め合いました

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 マリンフィールド家の処刑のきっかけとなった冤罪事件に、この宰相が影ながら関わっていたのだという。  だから、彼女がまた貴族に戻れるよう真実を明らかにし、冤罪に陥れた貴族を処罰し、処刑を免れ散り散りになったマリンフィールド家の人間を集めて立て直しを図ったのだという。 「全てを元通りにすることはできなかった……お前の両親を含め、たくさんの者たちが亡くなった。未然に防げなかった我々の落ち度だ。そしてお前も……長年、辛い思いをさせた……本当に、本当にすまない……」 「いいえ、あなたのせいではないのです。こうして、失われたと思われていた大切なものを、取り戻してくださいました……感謝しております。弟は、元気でしょうか?」 「ああ。早くお前に会いたいと言っていた」 「よかった……本当に良かった……私も、会いたいです」  サヨは祈るように左手を握ると、そっと瞳を閉じた。  嬉しくて、嬉しくて堪らなかった。  あの混乱の中、逃がされたのはサヨだけだった。  しかし、意外にも処刑を逃れ、逃げ延びていた親族もそこそこいたらしい。弟はまだ歳が若いからと処刑を逃れ、奴隷として生き延びていたのだとか。
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