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二日が過ぎた。
「これはどういうことかね、軍師殿。外は日照りが続き、さらには風も吹かぬ。到底雨の降る気配などないではないか。もう我が軍の兵糧は無いのだ。ううむ。どうやらそなたは命をもって、この失態を償ってもらうことになりそうだな。」
にらみつける将軍に対して軍師は高笑いをする。
「おやおや将軍殿。指揮官たるものは、いつなんどきも、沈着冷静でなければなりません。明日、明日必ず、この地に大雨が降ります。えぇ。それはそれはたいそうな雨が降ることになっております。ことを急いでは、すべてを仕損じますよ。心を穏やかに保つのです。明日の朝、きっと将軍は雨の音を聞くことになるでしょう。」
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