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✱ ✱ ✱
「はぁ……。疲れた」
仕事を終えて帰宅すると、すぐ様ベッドへと直行した。
そしてベッドの上を仰向けになると思い出すのは、あの時の夜に起きた出来事だった。
その出来事が起きる一週間前に、わたしは5年も付き合った彼氏にフラレたのだった。同棲はしてはいなかったものの、もうすぐ結婚するという所まで来ていたと勝手に思っていた。
だけどその願いとは裏腹に、わたしの願いは崩れ落ちた。……彼は突然、わたし以外の女性と結婚することになったと言ったのだ。
訳が分からない。なぜ?わたしと結婚するんじゃなかったの?……なんて色んな考えが頭を巡っていくけど、いくら考えても、結局その答えは違っていた。
彼はわたしよりも、別の女性を選んだんだ。そして結婚相手は、同じ会社で働く同僚。しかもその女性は彼の子を妊娠しているというのだ。
信じられなかった。だけどこれが現実なんだということを、わたしは嫌でも受け入れることしかできなかった。
フラレてから一週間、わたしの心の傷が癒えることはなく、哀しみだけがポッカリと残った。
ポッカリと穴が空いたわたしの心は、いつまでも塞がらない気がした。
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