第2話

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第2話

「おい!あいつ、女好きらしいぜ!」 「うわ、まじかよ。まあ確かに、見た目も女みたいだからな!」 「近くに行ったら俺らも女みてーになるぞ!」 「女菌がうつる!逃げろー!」 「女菌とは何だ……小学生がそんな菌を発見したら、間違いなくノーベル科学賞行きだ」 クラスメイトの言葉に1人ポツリと呟く。 朱雀五郎(すざくごろう)という名を賜り何だかんだ11年間生きてきた俺は、親の都合でこの学校に転校してからというもの、友人が一人もできなかった。 小学生というものは残酷で、他人の容姿や家族構成、交友関係等の個人情報にもズカズカと入り込み、自分たちの「普通」と違うと分かれば容赦なく糾弾する。 本人たちはそれを半ば正義感と捉えてやっているのだから質が悪い。 しかしここで俺が反発したり自分の主張を通したところで、奴らの正義感は増していくばかりであると思っている。 俺に友達ができない理由… 一つ目は、俺のこの容姿だ。 色白で大きく真っ黒な瞳に赤みがかった唇。 黒くてサラサラとした髪は、柔らかく真っ直ぐに風に靡く。 こんな容姿をしているものだから、周りの男共は皆俺を女だ女だと言って騒ぐ。 二つ目は、俺のこの話し方。 俺の家は茶道の家元である。 伝統と和の文化を大切に受け継いでいるが故、多少感覚や話し方が昔っぽい所がある。 しかし俺は、物心が付いたときからこの話し方をしていた。 生まれ育った環境により身についたものであるから、今更変える事は成し難い。 そして三つ目は、女性関係。 俺には姉が3人いる。 そして三人とも交友関係が広い。 その好で、俺と姉の友人たちが共に遊ぶこともあった。 同世代からは揶揄われるこの容姿も、姉の友達の女性らからは好評だ。 その為か、姉と友人が遊ぶときは大体俺も混ぜてくれる。 しかしそれを見たクラスメイトたちは、俺が常に年上の女性を侍らしているのだと嫌味を言ってくるのだ。
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