ドキドキ青春生活

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 ぼくの学校ではスマートフォンの持ち込みは禁止されていない。体操服などを入れる鍵付きのロッカーが教室の後ろにあるおかげで窃盗事件なども起こるはずがない。体育の時間になれば、皆、スマートフォンをロッカーに仕舞うからだ。 「手持ちや、ポケット越しの脈の動きで鼓動を感知してない?」 「そうだよ、ロッカーの中に入れたままでも鼓動を感知してたってわけだよ」 「手元にないのに感知してるのかよ」 「俺、オカルト的なものは基本信じないんだけど…… これに関しては何か嫌な予感がするんだ。明日から、この世の概念が変わるかもしれないぞ?」 「概念?」 「一日10万回未満に心臓の鼓動の回数を抑える。人間社会がこの為に作り変えられるってことさ」 ぼくは彼の言うことを本気にはしていなかった。この奇妙な連動も非接触型鼓動感知アプリケーションがいつの間にか発明されていたのだろうと気軽に考えていた。  帰宅後、ニュースを見たのだが…… 「一日10万回」のアプリケーションの続報は僅かなものだった。その日、始めてスマートフォンを購入した人のスマートフォンにも「一日10万回」が入っていた。と、言う話題だ。 工場出荷状態のスマートフォンにもインストール済と言うことになる。 携帯電話会社も大掛かりな仕掛けをしたものだとぼくは呆れた。 今日、フィーチャーフォンからスマートフォンに機種変更をしたご老人の方がニュースのインタビューに答えていたのだが、得体の知れないアプリケーションが入っていて、消せないことに首を傾げていた。店員に「怪しいアプリを勝手に入れるな!」と詰め寄るところまでカメラを回していたのだが、店員がそんなことをする訳がなく話に要領を得ない。
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