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御都部が消えると再度首を捻り、僕はこれまでの話を胸の内で整理してみたが……
──さっぱり分からない。あんな話を僕に聞かせて……
幾ら考えても、自分がここへ呼ばれた理由は見付けられず、もしかしたらあんな話を聞かせて、僕の反応でも面白可笑しく観察してるんだろうか? などと苛立ちさえ感じ始めた。
程なく何処かいそいそと、奥の部屋から御都部が戻って来た。
湯気の発つ珈琲カップを奨められ、一口啜った僕は愈々切り出した。
「──それで……僕に何を? ……どうしろと?」
すこし口調が棘々しくなるのを、自分でも感じた。
「ああ……済まない。話が随分と長くなってしまった。これを見てくれたまえ」
大袈裟な身振りを付けて、三枚目の写真を丁寧にテーブルの上へ置いた。
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