ケンサク君とサーちゃん

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 不思議なことにラベルの効力は本当に発揮されていたのだ。けれど野球部員のラベルをすっ飛ばしたことから、微妙に辻褄が合わなくなっていた。そのせいで終始冷や汗たらたらものだった。  なぜかサーちゃんは僕が元プロ野球選手だと認識していた。けれど高校時代と野球がどうしても結びつかない。突然彗星の如く現れすぐに消えてしまった?……不可解だという印象が拭えなくなってしまった。そして問題はお試し期間が過ぎた昨日だ。肩書きは失われ、その話題もきれいさっぱり消えたのだが、いかんせんそのせいで話が盛り上がらない。  どうしよう。  これはピンチだ。  サーちゃんに嫌われたくない。
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