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 ここまでゆうが菜穂子に構うのには、きちんと訳がある。 ほんのわずかしか知らないが、菜穂子は中学生の時に、乱暴されている。相手はその時に付き合っていた、1つ年上の彼氏だ。 テスト前にはいつも2人で勉強をしていた。いつもそうしていた、手を出されたと言っても キスまでだった。それでも菜穂子は幸せだった。初めてキスした時はドキドキしすぎて心臓が破裂するかと思った、でもすごく嬉しかった。 その日もいつものようにテスト前の勉強しようと言って、いつものように菜穂子の部屋で向かい合う。母も階下にいるし、飲み物を持って2階の自室でしばらくはいつものように勉強する。 「……ぉこ、菜穂子、菜穂子」 「!あ、ごめん!ってわっ!」 集中して勉強していたので声が聞こえても反応が遅れ、ハッと顔を上げたら、間近に彼の顔が迫っていた。 あ、キスされると思い、目を閉じる。と、いつも通りキスされる。それだけで菜穂子はじわりと心が温かくなり、幸せを感じる。
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