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「約束します」
「あの子、母の日の朝に、私の枕元にこれを置いたのよ」
一瞬何のことかと思っちゃったけど、静子さんの嬉しそうな顔を見てすぐにわかった。
なるほど、そういうこと。
「プレゼントってそういうものだって思ったのかしらね。私より早く起きて、そっとそれを置いて、すぐにまた寝たわ」
かわいい。
それをしっかり静子さんに気づかれちゃってるところが特に。
「静子さんは寝たふりをしたんですよね?」
「もちろんよ。最初は何をしているのかわからなかったもの。ちゃんと起きて枕元にある包み紙を見て、思わず笑っちゃったわ」
きっと静子さんは上手にリアクションをとったのだろう。
幸せそうな母子の一幕が容易に想像できた。
「私はその日の朝、すぐにそのエプロンを着けてご飯を作ったわ。そしたら他のみんなにすぐに気づかれて」
そのときの様子を知る人は、今の住民では四季さんと倉じいだけだ。
話を聞きたい気持ちもあったけど、これは静子さんとの秘密にしておこう。
「そこで枕元にあったことをお話したんですか?」
「そうね。私からは言いづらかったから、みんなに言ってもらったわ。サンタクロースじゃないんだぞって」
そのときの陸くんはどんな感じだったんだろう。
今の陸くんからはあんまり想像できないや。
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