さようなら

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 母がいない時は不安でたまらなかった。もし知らない誰かが来たらどうしよう?おなかがすいたら、何を食べればいいんだろう?そんな不安ばかりが押し寄せて、僕の小さな胃はキリキリと痛んだ。  僕はテレビを見たり、本を読んだりして、その不安を打ち消そうとした。一時的には紛れるものの、不安はすぐに押し寄せてきた。どうしようもない不安は、いつも僕の隣にいた。  母が帰って来ると、一目散に駆け出し、母に飛びついた。母は僕を一瞬抱きしめるも、すぐに僕を放って布団に寝転んだ。  疲れていたんだと思う。でも、僕はもっと母に触れていたかった。母の横に行くと、面倒くさそうに僕を追いやった。  出来合いの物を食べ、母のいない時間を好きなように過ごし、不安と人間不信とともに僕は大きくなった。  部屋は散らかし放題で、一般に言うゴミ屋敷だった。役場からのクレームはしょっちゅうだったが、母は表面的には謝るものの、全く改善する気はなく、僕らのゴミ屋敷生活は今も続いている。
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