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「幸せな経験が多い人は甘くて、不幸な経験が多い人は苦かったりして。色んな味がするんだよ。ふふ。この間は高校生の男の子を占ったんだ。でもね、若い子は匂いが強くて濃厚で。僕にはちょっぴり刺激が強過ぎたよ」
ケンちゃんはうっとりと目を細めた。他人の脇汗を味わうだなんてどうかしてる。汗占いだなんて言っているけれど、脇を舐めるだなんて性行為の一種じゃないのか。いや、占いから始まって最終的にはSEXまでしているのかもしれない。
(吐き気が……)
ケンちゃんの指が私の髪の毛に触れる。
「ココアさんのはね……寂しい女の味がする」
一瞬で背筋に悪寒が走り、ひゅうっと息を呑んだ。耳を掴む手に彼の手が到達する。
「僕が、占ってあげる」
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