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「はい。あ、昨日ファックス頂いてるんですね。確認します。少々お待ちください」  受話器を置いて立ち上がり、窓際の複合機に向かう。排出トレイには私が不在の間のファックスが何枚か溜まっていた。取り敢えず全てを取り上げて自席に戻る。 「お待たせ致しました。ああ、届いています。すぐに処理しますね」  電話を切り、ファックスの仕分けを始めた。注文書に見積書、たまに混じっている不要品を廃棄しますよだなんてDMはそのままゴミ箱へ。  仕分けが終わり、ボールペンを出そうと引き出しを開けると……  ごろり。  小出さんがくれたあのクリームのケースがひょっこりと顔を出した。ケースを手に取り、表、裏とひっくり返した後、無言でゴミ箱に放り込む。紙がクッションとなり、かさりと小さな音が上がった。 (効き目があっても、気持ち悪いんだから仕様が無い。さようなら)  今度こそ目当てのボールペンを取り出し、パソコンのディスプレイに向き直る。
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