甘い汗

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甘い汗

「お疲れ様でしたー」 「お疲れー」「また明日な」  もこもこと着膨れたダウンコートに、よいしょとリュックを背負った。職場と家の距離は歩いて二十五分、それなりに距離があるので荷物はできるだけ軽い方が良いのだけれど、財布に手帳、メイクポーチにお弁当と三百mlのマグボトル、今では必需品となった消毒用のアルコールジェルに替えのマスクなんて入れたら、あっという間に重くなる。だからこれは丈夫なアウトドアブランドの奴。見た目よりも性能重視。 (マジで寒いんですけど)  真っ暗な空を眺め、白い手袋にふうと息を吐いた。雪こそ降っていないものの、今日の最高気温は六度。かなり寒い。
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