オールドキング、狂気の理由

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 ORCAの連中、ヌルすぎる… 俺はまどろっしいやり方が大嫌いなんだ。それに、タイギメイブンってやつもな。 全く、クソ忌々しい”ゆりかご”だ。こっちが気持ちよく空を拝んでるってときによ。特に忌々しいのは、あ ん な も の に、かつて俺自身も乗るはずだったって事実だ。 藁にも縋る思いってヤツは、懐疑心をも殺しちまうのか。結局俺は、何一つ止められなかったな… ”オールドキング”とは、皮肉であり蔑称である。あえて通り名として彼がそれを許すのは、背負いきれぬ咎と戒めのため。 ___本気でそう思ってるのか?俺にゃ信じられねぇよ。いいか、全員が助かる道も無きゃ、個人が助かる保証も無いってのが今の世の中の在り方だぜ? 王の言葉に耳を傾ける者は確かにいたが、それはあまりにも少なすぎた。愛すべき者も、親しき友人達も、だれもかれもがあの泥船を渇望する。どうして自分だけは助かると思えるんだ?どうかしてるぜ。互いに同じ台詞を交換するのは、何度目なんだろうか。そして、これが最後なのか…だとしたら_____ _っ!? クソがよ、これだから空の下で昼寝はしたくねぇんだ。オールドキングはぶっきらぼうにコックピットを殴りつける。拳が痛み始めると、生きているという感覚がくっきりとした。そうだ。これこそが”生きる”ってことなんだ…なんで誰もわからないだろうな…こんな当たり前で、大切なことによ…  あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅ… かつての同胞達を殺す事にもはやなんら関心は無かった。死ぬことと生きることの境界線など無い。オールドキングの思想はあまりにも研ぎ澄まされていた。はたから見れば、狂人のソレとしか映らないだろう。だがしかし、彼は一切の迷い無く、正しい行いとして虐殺をし続ける。半ば殺戮を楽しんでいるかのように思える彼の鼻歌、それは本来滴るはずの涙を零さぬ為の励ましであり、慰めであった。
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