ビッチ姉妹の話⑧

1/1

282人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ

ビッチ姉妹の話⑧

あれから私達は人目を忍んで都内に戻り、私のアパートへと向かった。 一人で寂しく暮らすこの部屋も、今日だけは賑やかだった。 「わぁ……!すごい!お部屋がクリスマスっぽい!!」 部屋に入った途端、隼くんは喜んでくれた。 私はこの日のために、部屋をクリスマス仕様に飾り付けたのだった。 「ツリーも一人で頑張って飾ったし…壁や天井からぶら下げる系のものは、画鋲が使えなくて色々工夫したんだよ〜」 私は事前に買っておいたケーキや料理、飲み物などを用意しながら、部屋を見渡している隼くんにそんなことを話していた。 「僕のことを呼んでくれるために頑張ってくれたの?ありがとう!」 満面の笑みでお礼を言われて、私はまた心臓を跳ねさせる。 どうしてこの子はこんなに純粋で穢を知らないんだろう…… 私は隼くんの存在そのものが愛おしくて仕方なかった。 それから私達は2人でご飯を食べ、ケーキを食べて色々と雑談をした。 冬らしい海外の映画を流しながら、2人は人生で最高のクリスマスを過ごした。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加