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「……きて、起きて」
んん…うるさい……。
「起きて、朝だよ」
……後五分…いや、十五分…
―チュッ
!
「うわあああ!」
「あ、起きた。おはよう、翔琉」
「奏太…それで起こすの辞めろって言ってんだろ!」
「だって起きないんだもん。これしたら直ぐ起きるでしょ?」
俺は 寺元 翔琉。
この春に高校二年生になった。
見ての通り朝が弱く、いつも幼なじみに起こしに来てもらっている。
そしてその幼なじみというのが 旭 奏太。
コイツも同じ高校の二年だ。
優しくて料理が上手くて、頭も良くて運動神経抜群で……更に顔も良いという完璧な奴だが、ちょっと困ったことがある。
それが、俺が起きないとキスをして起こすことだ。
いや、俺が起きないのが悪いんだが、キスじゃ無くてもいいと思う。
この起こし方は俺達が小学生の頃から続いているが慣れないものだ。
いつも驚いてしまうからこそ起きれるのだが。
「ほら、行くよ。朝ごはん出来てるから」
「ん……ありがと」
…………いや、手は繋がなくていい!
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