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第八章 過去
数日後の休日、悠司は佐奈と横浜駅で待ち合わせを行った。理由は、理緒の過去を一緒に調べるためだ。
先日、佐奈から連絡があり、理緒が前に勤めていた会社の元同僚と連絡が取れたというのだ。
理緒の前職の話は、ついこの間出たばかりだ。それなのに、もう大元を探り当てるとは、刑事のような手腕に悠司は舌を巻いた。
方法を訊くと、SNSを使って、当事者を探したのだそうだ。現代人らしい捜査方法といえる。
悠司はSNSの類を一切やっていないので、盲点でもあった。もっとも、以前はSNSを利用していたため、当時ならば悠司も考えついたかもしれないが。
佐奈が探し当てた人物は、四十代の男性だった。今日、横浜駅近くの喫茶店で待ち合わせの予定である。
横浜駅で佐奈と落ち合った悠司は、指定された喫茶店に向かった。
道中、佐奈が伝えてくる。
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