序 章

2/3
前へ
/58ページ
次へ
部活と言えば、写真部だった。 大好きな、橋本千春の側で楽しい3年間を過ごしたかっただけ。 校外学習でいった京都巡りは、30年たった今でも鮮明に覚えている。 思春期の中学3年にもなると、彼女ができたりそれなりに経験する奴が出てくる。俺は彼女とか無縁の一人のチェリーくん。女子と話すなんて、橋本千春以外ありえないのだが、まぁ橋本千春が俺の青春だったので、他の女がどうとかってのはなかった。 当時からよく、「橋本、好きだ」って本人には伝えていたが、結局振られる日だった。なんとかしたい、付き合いたい!そんな事を考えるうち、クラスでモテる男には2つのパターンがあることを知った。 モテる男の条件、それは、面白い奴になるか、ヤンキーになるかだった。 だから俺は、中学を卒業してヤンキーになる決意をした。 そう、大人気漫画「今日から俺は!」と同じ発想。 気がつけばヤンキーになっていたのではなく、ヤンキーになると決めて、ヤンキーになったのだ。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加