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かずくん
自殺するんじゃないかって言うくらい、俺の親友のかずくんは、小中と虐められていた。正直、その内容はここでは書けないくらい。
彼と仲良くったのは、中学3年の終わりごろ。
どんな痛い事されても、彼はへらへらと笑っていた。
正直、助ける事も出来ない俺だったが、彼も別に助けを求めていたわけじゃない。
で、そんな弱い俺が彼に出来る事と言ったら、
「卒業まであと少しなんだから。学校休めば?」
すると、かずくんは、
「俺、弟おるねん、その弟にな、兄ちゃんが虐められて不登校とか、カッコ悪いやろ?俺が卒業したら、弟入学してくるからさ、カッコ悪い思いさせたくないねん、それに中学卒業したら、みんなバラバラや、関わる事ないわ」
え、なに、めっちゃかっこいいやん。
この言葉は、30年たった今でも鮮明に覚えてる。
俺とかずくんは、先生に「絶望的に高校への進学は無理」と言われるほどの、あほ仲間だった。
そして、中学を卒業した俺たちは、職人になる為に、
職業訓練専門校に入学した。
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