かずくん

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職業訓練専門校は、中卒から大人まで色々な人がいたが、風景はなんとなく刑務所みたいだった気がする。 かずくんは、真面目な性格もあいまって、1年コースを無事に卒業。 俺は残念ながら、2か月で自主退学となった。 あっという間に2年と言う月日が二人の中で流れた。 そして学年で言う所の高校三年生。お互い、誕生日が11月と12月。 まだまだ長い17歳。 そして俺たちはまだ、彼女が出来たことがない。 それなりにやんちゃして、地元でもそれなりに名前は知って貰えていたのに、俺たち2人の地元ヒエラルキーは消える事がなかった。 「なぁ、誰も知らない街で、ヤンキーやった方がはやくね?」 俺がかずくんに提案すると、 「やっぱ、そうやんな、俺も思っててん」 うん、類は確実に友を呼んだよ。 俺もアホだが、こいつもアホだ。 そうして俺たちは、高校デビュー失敗にも関わらず、引っ越しデビューする事を決めた。
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