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夜の9時過ぎにも成ると、人影も車の往来も殆ど無くなっていた。
車道を歩く悠一の視線の先に、神社の杉木立の影が霞んでいた。
暗い車道を歩く悠一が手に持つ、 お弁当の入った白いビニール袋が揺れている。
自分の家にもう汚れた生物たちは居なく生ったが、悠一の此れからの人生に光は無い!
あの清楚な お姉さんに、無性に逢いたかった。
汚れの無い生活を、清らかな将来を、あの美しい お姉さんに、導いて貰いたい……
車道を歩く、悠一の姿に、ポツリポツリの雨が… ザーザーという土砂降りの雨に変わった。
悠一は、駆けだした。
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