407号室に入居しました。

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「やべっ……」 風呂の水を止め忘れた…… ちょっと待てよ。 きっと下の階の奴はぶったまげてるだろう…… 仕方ない…… 後で謝りに行くかぁ…… 急いで風呂場から溢れた水を拭いて、下の階の307号室の奴に謝りに行かねば…… えっと…… やっぱり、お詫びの品を持っていかないとマズいな…… 誰だから分からない奴に、菓子折りなんて持って行くなんてもったいないぞ。 家に有る物をあげよう。 えっと……使わないでやれる物はないかいなっと! おっと、あった! 俺の友達がロシアに行った時のお土産のマトリョーシカだ。 マトリョーシカ人形を開けたら、またマトリョーシカ。 これならきっと喜ぶだろ! 1人で行くのは面倒だから、カゲを誘おう! あっ、カゲが水を出しぱなしにしたって事にしよう! 名案!名案! 「わっ……いつの間にカゲ、ここに居たんだ!」 「おい!すべて、ひーちゃんの独り言を聞いたぞ!」 「す、すまん。 頼む、一緒に謝りに行ってくれ!心の友よ。」 「分かったよ。」 《ピンポ〜ン♪♪♪》 「はーい!」 あっ、金髪の男の子だ……! 「す、すみません。水を溢れさせてしまって……」 「あっ、大丈夫!お互い様だよ。 僕、ダーチャ、ロシア人なんだ! 僕の恋人紹介するね。」 「初めてまして!水上祥です。」 「わっ、あ、あ、あ、あなた達も、もしかしてBL?」 「はい!」 「お近づきに僕の国の人形あげるよ。」 「好きなの選んで!」 「マトリョーシカぱっかりじゃないか……」 「じ、じゃこれ…… で、では、私達は失礼します。」 「祥、あの人達許してやったけど、お詫びの品も何も持って来なかったね……」 「そうだな……あんな人とは付き合いは辭めよう。」 「うん!祥、じゃさっきの続き始めよう♡!」 「お、おい!カゲ、こ、ここは本当にどうなってるんだ…… お詫びの品、さすがに渡せなかったな…… マトリョーシカ人形がまた増えた……」
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