407号室に入居しました。

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「おい!カゲ、俺のお金を知らないか?  おかしい、おかしいと思っていたがやっぱりおかしい!  どう数えても残金200万しかないんだ!」 「有るだけ良いと思えよ。  お前がケチケチして使わないから何処かの泥棒が使ったんじゃないのか?」 「えっ、泥棒が俺の金を盗んだとでも言うのか!  カゲ、警察について来てくれ!盗難被害を出さないと!」 「俺は嫌っ!ひーちゃんの金だろ。俺には関係ないし!」 「やっぱり、このマンションは怪し過ぎる。  俺が1億持ってるって皆んな知ってるし、全て秘密がジャジャ漏れだ!  何が秘密重視のアルファ・ビルヂングだ!  もしかして奴ら、皆んなグルで俺の1億円を狙う窃盗グループ集団の集まるマンションじゃないのか?  カゲ、お前も危ないぞ!  こんなマンションに住んでたら、窃盗グループからお金を全て持って行かれるぞ!  そもそも、BLや河童、吸血鬼が居るマンションって怪し過ぎる。  俺は今から警察に行く!」 「あらっ、行っちゃった……あと、200万しかないのか……  もう、そろそろ、ひーちゃんとはオサラバだな……  次は405号室の兄ちゃんでも狙うか!」   405号室 「行って来ま〜す。アカリ!  あっ、あなたは407号室のひーちゃんさん……」 「あの……今、独り言ませんでした?」 「い、いえっ……」  俺は警察に被害届けを出しに行った。  警察は分かりましたとは行ったがその後、何の連絡はない。 「ひーちゃん、怖い〜〜〜っ」 「どうしたカゲ?」 「405号室の部屋に入ったら、男がずっと独り言を言ってるんだ。  アカリ、アカリって!気持ち悪くなって逃げ来た。」 「俺も見たよ、独り言兄ちゃんだろ!  ところで、カゲ何で405号室に行ったんだ?」 「えっ……トイレを借りに。」 「またかよ……」  このマンションには独り言を言う猫背の危ない兄ちゃんまでいるのか……  コイツも危ない!  窃盗グループの仲間だ!
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