407号室に入居しました。

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「ないないないない!お金がない……」 「カゲ、俺のお金を知らないか?」 「知らないよ!」 「あっ……何でまた、俺の部屋に勝手に入ってるんだ?」 「オレ達は友達だろ!友達が勝手に部屋に入って何が悪い!」 「そうだな……カゲは俺の親友だった。  でも、入る時は必ず俺に言ってくれよ。」 「あぁ、分かったよ!」 「お、俺の引き出しに入れてた100万がないんだ。  俺、確かに引き出しに入れてたはずなんだけど……」 「カゲ、俺の部屋に不法侵入してる奴を捕まえないか?  このアルファ・ビルヂングには怪しい奴らが沢山いるからな!  1番怪しのは505号室吸血鬼だ!  勝手に入ってカゲの血を吸ってたんだぞ!  それにコウモリを飼ってるそうだ!  505号室からコウモリが飛び出て行くところを俺は見たんだ。  あっ、噂だが大根が歩いてるって話も聞いたぞ。 「大根が歩いてるって⁇⁇そんなアホな……」 「河童もいるし、アルファ・ビルヂングはオカルトマンションだ!  頼む、今日だけで構わない、俺の部屋に泊まってくれ!  お金が無くなったら、俺は陰子と結婚式を挙げれないんだ。」 「えっ、ひーちゃん、まだ、陰子の事を忘れてないの?」 「陰子は実家の親が倒れたって言って田舎に帰った。」  ひーちゃんはどこまでアホなんだ…… 「ところでひーちゃん、何か食べてるの?」 「何故だ……」 「食べてる姿を1度も見た事ないし……」 「そう言えば、最近、全然お腹が空かないんだ。」 「ひーちゃん、それって病気じゃない?  それにしては痩せてもないけど……」  その夜、カゲは俺の部屋に泊まってくれた。 「あれっ、ひーちゃんが居ないぞ!  今のうちに最後の貯金を取っちゃうか!」 「ただ今〜〜」 「ギャーーーーーーーーーーッ!  ひ、ひ、ひーちゃんがカエルになってる!」 35323124-4d34-422b-92d4-9cd5345540ec  カゲは何故か、泡を吹いて倒れていた。  カゲは目を覚まして、俺に言った。  ひーちゃんがカエルになったって……  でも、俺はカエルじゃない。  しかし夜中、大根とカエルとコウモリがアルファ・ビルヂングの周りをウロウロしてるから気をつけて下さいって回覧板が回って来た。  ひーちゃんのイラストは束砂さんのイラストです。 https://estar.jp/novels/25069849
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