407号室に入居しました。

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「おい!カゲ、俺のお金1円も無くなった……」 「ひーちゃん、お金を使わなくっても構わないだろ!  だって、ひーちゃんの通帳覗いてみたら、ひーちゃん全然、お金を使ってないぞ!」 「カゲ……何で俺の通帳を覗いたんだ!」 「俺達、友達だろ!友達が通帳覗いて何が悪い!」 「それもそうだな……」 「ところでひーちゃん、俺は見たんだ!  ひーちゃんがカエルになってこの部屋に帰って来たんだ!  声はひーちゃん、姿はカエル。」 「何だと……俺がカエルだと!」 「だから、ひーちゃんはお腹が空かないんだよ。  夜な夜なカエルになって、ハエやコウロギを食べてるからひーちゃんに戻ってもお腹が空かないんだ!」    えっ、そう言えば、部屋でハエをみたら追いかけてしまう……  でも、そんなバカな?  夜になったらカエルに変身だなんて……  余りにも馬鹿げてる。  でも、俺の母ちゃんは言っていた。  ひーちゃんは赤ちゃんの時、川で拾って来たと……  あれは冗談と思ってあたが本当だったのか? 「ひーちゃん、お金が無くなったのはカエルになって夜な夜な無駄遣いしてたんじゃないか?」  俺が自分でお金を使っていたのか?  そんなバカな?  突然、お店にカエルが来たらビビるだろ……  でも、カエルでもお客様だから相手にしてくれるって事か…… 「おい!カゲ、俺は本当のカエルなのか?」 「うん。カエルだよ。」  俺はアルファ・ビルヂングの奴を疑っていた……  金を使ってのはカエルだったのに……  あっ、自分で自分のお金を使っていたんだ……
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