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「ばあちゃん、すまない……お、俺、ばあちゃんから貰った大切なお金を全部使ってしまったんだ……」
「えっ……そうかい、使ってしまったかい。」
「ばあちゃん、俺の事を怒らないのか……」
「怒るもんかい。もう、お前にやった金だよ。
どう使おうがお前の勝手だ。」
「どうして、ばあちゃん、俺みたいなアホな孫にこんなに優しくしてくるのか?」
「お前は大事な孫だ!可愛くって仕方ないんだ。」
「ばあちゃん……」
「実はな……ひーちゃんは知らないと思うが、正男(ひーちゃんの父)にはもう1人、隠し子がいるんだ。
これは、善子(ひーちゃんの母)には内緒だけど正男が隠し子の居場所を探してるんだ。
苗字は分からないがカゲって言っていた。
ひーちゃんの弟だ。」
「カゲ⁇⁇俺の弟⁇⁇」
「私はそのカゲにも1億をあげたかったんだ……」
「ひーちゃんすまんがカゲと言う隠し子を探してくれないか?幼少期の写真を送るから……
カゲは噂では、お金持ちの家に行ったそうだ。」
数日後、ばあちゃんからの手紙の中に写真が入っていた。
それは今と変わらぬ幼少期のカゲの顔だった。
「おーい!ひーちゃん、ヤバいぞ!
ひーちゃんが指名手配されてる!カエルの着ぐるみを着たひーちゃんだ!
捕まるのは時間の問題だ!」
「俺は捕まっても良いんだ!弟に迷惑をかけなかったら……
カゲ、お前は俺の弟だ!」
「何の事だ?意味わからん!」
カゲの幼少期のイラストはハナ🍀さんが描いてくれました。
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