407号室に入居しました。

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「あんた何をしたんだい?」 「強盗?」「殺人」「婦女暴行?」 「全部違う!」 「じゃ何だ?」 「言わない!」 「言わないと帰らない!」 いつの間にか俺は、皆んなの取り調べを受けていた。 「黙秘は許さん」 「分かったよ……喋るよ。 実は通帳に多額の金額が入ってたんだ。」 「ナンボだ?」 「一億。」 「今流行りの誤給付金って事か……」 俺はすんなりと話してしまった。 「こいつ、アホだ!」 「警察に言わないと!」 「そうよ!絶対バレる事だもんね!」 「猫ババなんて最低!」 「皆んな、ちょっと待ってくれ…… 俺がひーちゃんと話すから……」 俺はヒロって奴から自首を勧められた。 もう、コイツらから逃げる事なんて出来ない。 だって俺は皆んなから囲まれているからだ…… 「分かったよ……警察に行くよ。」 「そうだよ。今からだって遅くない。 一緒に警察に行ってやるから!」 「優しいな!ヒロは……」 俺は思った。 黙ってここに居続けるより、早く警察に行った方が楽になる気がしたからだ。 こんな連中と一緒に生活するくらいなら早く逃げた方が楽だ。 《リリリリリン〜🎵》 スマホに着信が…… あっ、ばあちゃんからだ…… 「ひーちゃん、元気かい? ばあちゃんの遺産、ひーちゃんに入れたの気づいたかい⁇ お前が孫の中で1番心配なんじゃ…… ワシが死ぬ前にお前にお金を分けておく。 無駄遣いするんじゃないぞ! これでワシも安心してあの世に行けるわい。」 あの金は、おばあちゃんからのお金だった…… 「ひーちゃん、誤給付金じゃなかったみたいだね……」 「あぁ〜〜」 「これから、仲良くしようぜ!」 「さぁ、もう一度飲み直そう!」 俺はこのアルファビルヂング407号室から逃げれなくなった。
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