短夜

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あなたの半歩後ろ辿った蝉時雨 心はいつだって鼻水垂らし あなたがさっきまで口にした言葉を それらしい唄にして夏が始まった 恋をしたとて叶うとは限らない 涙したとて強くなる訳ではない そんなこともわからないから 今日も狐は踊っているのでしょう 明日が晴れれば あなたは来ない 誘うための両手はいつからか四本足 明日が来なければ 僕は救われる? ビニール傘は此処らで忘れられていくでしょう 明日は平等にやってなど来ない 明けてしまった夜を悔やむ僕もいるのです 明日が晴れれば あなたは来ない 夏も此処らで捨てられていくでしょう
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