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(また新しい用語がでてきた・・)
自分が置かれている状況を少しではあるが理解してきた燈だが、この状況が非現実である事は間違いない。
「こころ部屋って何ですか?」
「詳しくは向かいながらご説明いたします」
「向かう?向かうって何処に?」
「間宮様の【こころ】でございます」
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燈は訳もわからないまま、暮内に連れられ、こころ部屋なる場所へ通ずる、ひたすらに長い渡り廊下をあるいていた。
何が何だか理解出来ていない燈だったが、暮内は信頼できる。不思議とそう感じていた。
「こころに向かうってどういう意味ですか?」
「こころという物は、実はひとつの部屋のように造られているんです」
「部屋・・・ですか?」
「ええ。我々はそれをこころ部屋。そう呼んでおります。」
暮内の話によると、人のこころは、ひとつの部屋のように造られており、その部屋には喜怒哀楽、感情が収納されているらしい。
楽しかったや、嬉しかったなどといった喜びの感情を「生の感情」と呼び、逆に、苦しかったや、悔しかったなど、悲しみの感情を「負の感情」と呼ぶ。
こころ部屋は、その生の感情と負の感情が入り混じり造られているらしい。
いまいち理解できなかった燈だが、見れば直ぐに分かるという暮内に促され、ただひたすらに長い渡り廊下を歩く。
そして、こころ部屋のドアの前に着く。
「こちらが、間宮様のこころ部屋でございます」
そのドアの上には「間宮燈のこころ」
そう書かれたプレートが取り付けられていた。
「ここが・・・こころ部屋・・・」
目の前の部屋が、自分のこころと言われても実感が湧かない燈だったが
「では、開けてみてください」という暮内の言葉に従い、恐る恐るドアを開く。
ガチャ
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