ホワイトムスクの一夜彼氏

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何とも場違いな所に来てしまった。 私は会場に入った瞬間にそう思ってしまった。 私以外はスタッフを入れても、皆、若い。 これでは上杉さんの父親に見られても仕方がないかもしれない。 「先生…」 上杉さんに横から声を掛けられて、私は我に返った。 「あ、はい」 「リラックスしてください。私が上手くやりますから…」 上杉さんは私の耳元でそう言うと、いつもの様に微笑んだ。 此処は上杉さんの友人の結婚式の二次会の会場で。 何故そんな所に居るかと言うと、話せば長くなるのだが、掻い摘んで話すと、上杉さんに懇願され、カップル限定の二次会に彼氏役として同伴したのだが。 「よお、上杉…」 と若い男が上杉さんに声を掛ける。 そして横目で私を見た。 「何、彼氏連れて来たの…」 そう言うと私に頭を下げる。
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