12人が本棚に入れています
本棚に追加
何とも場違いな所に来てしまった。
私は会場に入った瞬間にそう思ってしまった。
私以外はスタッフを入れても、皆、若い。
これでは上杉さんの父親に見られても仕方がないかもしれない。
「先生…」
上杉さんに横から声を掛けられて、私は我に返った。
「あ、はい」
「リラックスしてください。私が上手くやりますから…」
上杉さんは私の耳元でそう言うと、いつもの様に微笑んだ。
此処は上杉さんの友人の結婚式の二次会の会場で。
何故そんな所に居るかと言うと、話せば長くなるのだが、掻い摘んで話すと、上杉さんに懇願され、カップル限定の二次会に彼氏役として同伴したのだが。
「よお、上杉…」
と若い男が上杉さんに声を掛ける。
そして横目で私を見た。
「何、彼氏連れて来たの…」
そう言うと私に頭を下げる。
最初のコメントを投稿しよう!