終わり

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終わり

 夢のような物語だ。  話の半分が僕とナナの本当にあった事だった。  懐かしいと言うのか、寂しいというのか、今の僕には、わからない。  ナナが居てくれたおかげで、僕は人生が初めて楽しいと思った。  辛かった年少期、片想いの友人の突然の消失、自分を責めた数十年、忙しい中の子育て、毎日が苦しくても誰にも言えない日々。  全てナナが解決してくれた。  僕の方こそ感謝している。ありがとう。  頭の中で、走馬灯のように今迄の事が甦る。  ナナと生き別れで、魔法が解けたんだなあ。    もし会えるとしても、会わない方が、心を乱れる事がない。1年かけてやっと気持ちの整理がついた。  このままの、想い出だけの幸せでいいのだろう。  遠くない未来、有、ママ、そっちへいくよ。  僕は心の中で、呟いた。
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