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石像
聖女メルルがお供と一緒にある島にやって来た。
「ロトトはどこにも居ないじゃない?」
「魔物の気配もございません」
「本当に魔物なんているの?」
「念のための調査ですので…」
「あの丘の大聖堂が怪しいわね」
聖女の一行は建物の扉を開けた。しかし、部屋の中には何もなかった。部屋の奥のほうに進んでいく。
すると、メルルが妖しげな石像を見つけた。石像は男の像で、何かを叫んでいるような表情をしている。逃げるような不安定な体勢の像だ。
「何!?この変な石像は? センスが悪いわね」
メルルが軽く石像に触れると、石像はコテッと倒れる。危ない!と思った時はすでに遅かった。石像は床に転倒して、ガシャーンと粉々に割れた。
「ちょっと触っただけなのに! まあ、こんな廃墟みたいな場所に置かれてあったのだから大事な物ではないはずよ」
こうして人知れず、邪悪な心を抱く者は消えていった。
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