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「ああ、すみません。アメリカじゃなくて、『アメリ』っていう題名の映画です。モンマルトルが舞台の映画ですよ。主人公がアメリっていう女の子でね」と、店長。
「アメリ……ですか……うーん……なんか、違う気がしますがねぇ……」
おばあさんが首を傾げた、その時。
再びチャイムが鳴り、入ってきた人物に……俺は目と心を奪われた。
俺とあまり変わらない年格好の女性。アンダーポニーテールの髪に整った顔立ち。スウェットにデニムというラフな格好だけど、そこからも十分スタイルの良さがうかがえる。
「あ、いたいた。もう、おばあちゃん、勝手に出歩かないでよね。心配したんだから」
その女性はおばあさんにつかつかと歩き寄ると、少しだけふくれっ面になる。おばあさんの孫娘なのか……?
「あら、メグ……ごめんなさいねぇ」彼女に振り返ったおばあさんが、きまり悪そうな顔になる。
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