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「無理ですね。ウチはチェーン店だったので、そういう履歴はウチには残らないようになってるんです。本部には残ってるかもしれませんが、もうウチはチェーンから外れてるので、アクセスできません」
「そうですか……せめて何を借りたかさえ分かれば、って思ったんですが……」
メグさんの困り顔に、さらにブーストがかかる。
「ま、ちょっと時間はかかるかもしれませんが、ウチでも調べてみます……」
「ダメです!」
店長にかぶせるように、おばあさんが大きく声を上げた。
「え……?」
「あと三日……私がまだ生きている内に……どうしても見ておかないと……」
おばあさんが沈痛な表情になる。
「え、ええ?」俺と店長が茫然としていると、メグさんが呆れ顔に変わる。
「もう……またそんなこと言って……先生も成功率が高い手術だから、大丈夫だって言ってたじゃない」
「でも……万一ってことも、あるじゃないの……」おばあさんは相変わらずうつむいたままだ。
「あ、あの……どういうことですか?」俺がメグさんに問いかけると、彼女はニッコリして応えた。
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