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葵の頭がカクンと落ち、凪の肩にもたれかかった。瞼は完全に閉じている。
凪はスマホを取り出すと、京次郎に電話をかけた。観覧車の中だったが、幸いにも電話はつながった。
「あ、本体はどう?問題なし?」
凪の肩にもたれかかった葵は、眠っているように見えた。
「うん、じゃあ、接続切るね。応援よろしく」
それから凪は荷物の中から、ノートPCを取り出した。何かを打ち込み、一瞬動きを止め、葵の顔を見てから、静かにエンターキーを叩いた。
何も変わったようには見えなかった。だが確かに、凪の隣のアンドロイドからは、魂が抜けていった気配がした。
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