2話

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2話

「え、でも急げーとか言ってなかった?」 「ああ、あれね。あれは一生懸命走ってるゆいが可愛かったから」 「なっ……!なに言ってるの!?」 「あ、ゆーだ。おはよう」 「み、未玖〜!」 「なに、どうしたの?」 び、びっくりした! 急に可愛いとか、いつも思うけど、いおって結構軽いよね? とりあえず、親友の岡田未玖に助けてもらうことにした。 「いおが〜!」 「あ、夫婦喧嘩に巻き込まないでね」 み、未玖!? 「な、ななな何言ってるの?」 「え、違うの?」 ああ、そうだった……。 この子、ちょっと頭がおかしいんだったよ。 「未玖、やめたげな」 「心凪!やっと来た〜!」 この子は、私のもう1人の親友、村田心凪。 「あ、ここ。何をやめてあげるの?」 自覚もしてない……。 「唯香、もう諦めな」 「うん、未玖は悪気もないもんね」 ふと隣を見ると、横にいたはずのいおがいつの間にかいなくなっていた。 「あ、あれ。いお?」 「東山くんなら席に行ったよ」 未玖が教えてくれる。 「え、気付かなかった!ありがと、未玖」 未玖にお礼を言って、私も席に行く。 私の席は、廊下側の前から3番目のとこ。そして、私の隣はいお。その後ろが心凪でその隣、つまり私の後ろが未玖となっている。 「いお、なんでなんも言わないで行っちゃったのー?私、めちゃくちゃびっくりしたんだけど」 拗ねたように頬をぷくっとさせて言うと、いおは私の頬を手で潰して(?)答えた。 「ゆいが友達と仲良く話してたから邪魔しちゃあれかなーと思って来ました」 「へお、あにあいってもいいあん。(でも、なにか言ってもいいじゃん)」 「じゃあ逆に聞くけど、俺が友達と話してるときに声かけられる?」 できる!と、はっきり言おうとしたけど、よくよく考えたら、絶対無理だ。 「うみまえんえした……(すみませんでした)」 「うん、よろしい」 そう言うと、いおは手を離した。
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