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 勤務が終わった夜、私は駿太のマンションに向かった。  駿太は研修医になってから一人暮らしを始めた。研修医はハードスケジュールで、私は駿太のマンションには一度しか行ったことが無かった。まるで、付き合って間もない彼氏の家に初めて遊びに行く彼女のような心境だった。    駿太の部屋に足を踏み入れた。意外とキレイにしている様子を見て感心した。しかし瞬時に、他の女の影を疑ってしまう私がいた。 「駿太ってこんなキレイ好きだったっけ?片付けとか掃除とか得意だった印象全くないんだけど…。誰か来てるの?」 「ん?ああ…、そうか?ここずっと帰ってないからな…。ここには誰も来ねーよ。」 「帰ってないの…?」 「あ…、うん、まあ…。」  帰れていない理由を聞くのが少し怖かった。きっと忙しくてずっと病院にいたのだと思いたい。それ以外の理由は、今の私にはキツすぎる。 「ところでエミリ、話って何?」  駿太は深刻な表情で私を見つめた。 「駿太からで、いいよ。私のは別に大したことじゃ……ないかもしれないから。」 「そっか……。じゃ、俺から話すか……。」  駿太は何度も溜め息をつき、落ち着かない様子だった。  何かを切り出そうとしている…。やっぱり別れ話なのか…。私たちはもう終わりなのか…。  私の胸の鼓動が高鳴った。  ドクン…ドクン…  私のBPMは、いつもよりも早く打っていた。
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