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「なあ、エミリ、俺らって出会ってから長いよな?」
「え?うん、まぁ。生まれた時からお隣さんだからね。」
「だな。ずっと一緒だったもんな。でも、ここずっと一緒に居られなくなってさ、エミリはどう思ってた?」
駿太は、私が何と言うことを期待しているのだろう…。私の素直な気持ちを伝えて、困らせたりしないだろうか…。
「私は…」
「俺は寂しかった。」
私の言葉を遮って、駿太が言った。
「俺、めちゃくちゃ寂しかった。エミリとは、いつも一緒に居るのが当たり前だと思ってたからさ、こうしてエミリと会えない日が続いたら、もう耐えられなくて。こんな気持ちなのって、俺だけかな…?」
駿太の言葉に、私は驚いた。
「駿太……、そんな風に思っててくれたの?私、てっきり別れを告げられるんだとばかり……」
「そんな訳ないだろ。何で別れなきゃいけないんだよ。」
「だって……。」
緊張が一気に解れ、嫌な予感が外れた安堵から、私は涙が止まらなかった。
「エミリ、どうしたの?泣かないで。」
駿太は私の涙をそっと拭き、私を強く抱き締めた。そして、口づけを交わした。
「エミリ、今日はエミリにこれを……。」
照れくさそうに駿太が私に差し出したのは、
指輪だった。
「エミリ、俺と結婚してください。ずっとずっと一緒に居てください。」
「はい…。お願いします。」
私たちはまた強く抱き締め合った。私のBPMと駿太のBPMが一つになり、心地良いビートへと変わった。
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