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駿太の体がくっついて、初めて分かった。駿太の鼓動の方が速かったことを。
なんだ、ドキドキだったのは私だけじゃなかったんだ……。
「ねぇ、駿太、緊張してたの?」
「当たり前だろ!だってプロポーズだぞ。男として人生で一番大事な場面だぞ。エミリがここ来る前からずっと緊張して待ってたんだからな。」
そんな駿太がとても愛おしくて、私は微笑んだ。
「エミリは?俺に何か話あったんだよな?」
「あ、えーと……、」
ドクン…ドクン…
また胸の鼓動が高鳴った。
「あの、実は……
私、赤ちゃん、出来たみたい…。」
「えっ?マジで?やった!」
私の不安をよそに、駿太は大喜びでまた私を強く抱き締めた。
「エミリ、一生大事にする。幸せにするから。」
「うん。ありがとう。」
あんなに速かった私のBPMは、駿太のぬくもりに包まれて、ゆっくり穏やかなビートになっていった。
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