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あれ……?
私はあることに気付いた。
もしかしたら、……そうなのかもしれない。いや、きっとそうだ。そうに違いない。女の勘は驚くほど当たる。
私の勘が当たっているのかどうか、今すぐ確かめたくなった。
結果は……
ほら、やっぱり……。
的中だった。
私と駿太は、同じ大学病院の研修医。お隣に住む駿太とは、小さい頃からずっと一緒。小、中、高、大、全く一緒の道を進んできた。そして、今に至る。さらに、
私たちは恋人同士。
これまで小さなケンカはあったが、別れようと思ったことは一度もなかった。不思議とすぐに仲直り出来て、数日引きずることも無かった。何だかんだで私たちはラブラブだったのかもしれない。
でも、ここ一ヶ月はお互い多忙で、なかなか二人の時間を作れていない。電話やLINEも出来ていない。たまたま病棟で会っても、会話すらない。このまますれ違いの生活が続いたら、いよいよ別れの時が来るのかな…。そう感じていた。
駿太に告げなければならない。でも、駿太はどう思うだろうか。何と言うのだろうか。私の心の中は、不安でぐるぐるだった。
でも、ずっと隠し通す訳にはいかない。今日、駿太に思い切って話そう。
「あ、駿太。今日夜いい?空いてる?」
廊下で出会った駿太に、私は問い掛けた。
「ああ、いいよ。っていうか、俺もエミリに話したいことあるから…。」
「えっ……?」
嫌な予感がした。
もう、終わりなのかな……。
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