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3.
急いだ甲斐あって、妹の美加子は、職場である都内某所の結婚式場に、ぎりぎりの時間で着くことができた。
「お、おはようございます。良かった間に合った...、ぜいぜい」
「おはようございます」
「香川さん、いつも早いのに珍しいね」
「今日出勤だったのを、すっかり忘れてて…」
そんな会話を上司や同僚と交わした後、美加子の仕事が始まった。
平日である今日は、結婚式や披露宴の予定は入っていない。
式がある日は、式場の案内係をしている美加子だが、今日のような日は他のスタッフのアシスタントをすることになっている。平日に式の事前打ち合わせや衣装合わせを入れる人が意外と多いのだ。
この日、美加子がアシスタントに入ったのは、ある熟年カップルの衣装合わせだった。57歳の淑子さんと、52歳の孝明さんである。
自分と同じ年齢というだけで、美加子は勝手に淑子さんに親近感を抱いていた。
(私と同い年で5歳も年下の男性と結婚するなんて…。ちょっと憧れちゃう…)
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