【 2日目:ヌルヌル星人 】

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【 2日目:ヌルヌル星人 】

 俺は昨日の月野美来のあの気持ち悪い画像のせいで、夢にまで変なイソギンチャクみたいなヌルヌルの異星人が攻めてくる、悪い夢を見た。  小説を読みたかっただけなのに、なぜあんなものを見てしまったんだろう。あれを見る前に読んだ小説の内容が思い出せなくなるほど、月野美来のヌルヌル画像に脳が支配されている。  今日は朝からバイト。実は俺も小説を書いている。しかし、今は生活するのにいっぱいで、バイト三昧だ。なかなかまとめて小説を書いている時間がない……。 「みんな、どうやって小説を書いているんだろう……」  バイト先の写真館での仕事の内容は、とても退屈なものだった。でも、俺はそのバイトを辞められない。それには2つ理由がある。  1つは、生活のため。お金を稼ぐため。  そして、もう一つは……。  ――バイトのお昼休みに、俺はスマホを開く。  また、お昼の時間に、月野未来がつぶやいているようだ。 『ヌルヌル画像の第2弾を作ったので、見てね♪(*´◡`*)♥』  またしても、最後にお決まりのニコちゃん絵文字だ。  しかも、自分で『ヌルヌル画像』って認めてやがる。 「何っ!? 第2弾だと……!?」  また気持ち悪い第2弾のヌルヌル画像をアップしたという。  見たくなかったが、俺の指が誤ってそれをタップする。 「うわっ! し、しまった……!!」 79397083-3509-44af-904a-28f74bae30f9  俺は思わず、先ほどコンビニで買って食べた、『いくら丼』を吐き出しそうになった……。
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