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【 3日目:ぶつぶつ星人 】
3日目の朝、目を覚ますと、またしても俺は悪夢を見た。
布団は汗でびっしょり濡れている。
そう、あの月野美来のヌルヌル画像の世界のやつらが攻めてくる夢だ。
昨日は、頭が赤い粒状のもので覆われている『ぶつぶつ星人』が俺を襲った。何をする訳でもない。ただただ、ヌルヌルとゆっくり動きながら、俺に近づいてくるのだ。ヌルリと気持ち悪く……。
今日はバイトはお休み。久々の休日ですっかり昼まで眠ってしまった。
小説を書かなくては……。
俺は万年床の上で、スマホをいつものように開く。
スマホの画面は、昨日の月野美来のつぶやきのページを開いたままだ。
すると、また月野美来がお昼につぶやく。
『今日もヌルヌル画像の第3弾をアップしたよ♪ 覗いてみてね♪(*´◡`*)♥』
「誰が覗くかボケ! 今日は1日小説を書くんだ俺は!」
そう彼女に突っ込んで、小説投稿サイトの作品編集ページを開いた。
――しかし、筆が全く進まない……。
第3弾……。
「ど、どんな気持ち悪いやつなんだろう……」
頭の中は、小説のイメージが全く沸かない。それどころか、月野美来が言う『第3弾』とやらが気になってしょうがない……。
俺は少し気分転換に、昨日スーパーで買ってきた無花果を頬張りながら、あの禁断の『第3弾』のヌルヌル画像のボタンを不覚にも押してしまった……。
「ぶふぁーーーーっ!!」
俺の口の中に収まっていたはずの無花果が、この画像のごとく、生き物のように口から飛び出した。
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