フランス語と私

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 二〇一八年五月  夜間大学で第二外国語としてフランス語を選択した。ドイツ語を選択する学生が多いことから、フランス語を選択した学生は同じ組で学習することになった。本来は姓名の五十音順に組を分けてあるので、ドイツ語を選択していたら別の組で学習したはずの人達と一緒に学ぶこととなったのである。その中の一人の女性と卒業して数年後に結婚した。私にとってフランス語は「出逢いの言語」なのである。  初の海外旅行は結婚して十数年してからで、タヒチに行った。本社がパリにある観光会社の施設に滞在したので、フランス語を大量に聞いたはずなのだが、英会話すら出来ない状態だったため、帰国後、まずは英会話を習うことにした。年に一度、海外旅行に出かけたおかげで、片言の英会話を愉しめるようになったが、滞在する施設をより愉しむためにフランス語を学ぶことにした。私にとってフランス語は「ゆとりの言語」になった。  フランス語の入門の先生からラテン語と古典ギリシャ語のそれぞれ入門を学んだ。私にとってフランス語は「教養を高める言語」になった。  フランス語を学ぶようになって数年経ち、パリを観光した私は、現地ガイドが文化を尊重している姿に接し感動したものである。それから十七年ほど経過するが、この感動のおかげで今でもフランス語学習を継続している。  最近はフランス語で書かれた本を辞書無しで読んで愉しんでいる。翻訳する必要に迫られていないので気楽なものである。そのような中でも「美学」は学びたいテーマとなった。古典ギリシャ語で書かれたプラトンにまで遡るのが興味深い。  外国語を学べば学ぶほど、日本語が好きになってくる。日常の雑多な事も美化されていく感がする。これからもフランス語を学びながら更なる高みを目指したい。
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