フランス語と私

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  二〇二三年七月三日  フランス語を習っている学校の卒業試験の合格発表があった。何とか滑りこめて安堵しているところである。  二〇〇四年から受け続けている試験で、一次試験が大の苦手の書き取り。今年やっと通算三回めの通過で、二次試験の作文に進んだ。辞書を使わずに和文仏訳。三つのお題から一つ選びフランス語で小論文。三度目の正直というべきか、初めて三次試験の口述に進んだ。  昨日、三次試験を受けたばかりである。まずは五つある文学テクストから一つ選び、十五分の準備の後、音読、要約、分析、コメント、意見交換と続く。次に裏返しにしてある五つのお題から二つ選び、表に返して一つ選び、十五分の準備の後、導入、発展、結論を述べて、意見交換する。どちらも言葉に詰まって沈黙するのは避けたい。強引に自分の得意分野に話しを誘導して乗り切った。  後半の試験に選んだお題は「若い世代と高齢者の世代は本当に違うのか」というお題。意見交換で言葉に詰まりそうになったとき、ひらめくがままに、「以前はフランス文学で、これは美しい表現だというコメントを耳にしたものだが、最近ほとんど耳にしなくなった」と話し、「美しい表現を使って話し合えば世代を越えて理解しあえる」と言って締めくくった。  安堵するのも束の間で、来年さらに上の試験を受験するための準備を始めたところである。
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