お嬢様はどうしても俺に無茶振りをしたいらしい。

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大丈夫、いけるいける、かわいいわよ。なんて誰も乗せられないようなセリフを吐きながら、紅茶を要求してくるお嬢様。 仕方なく自室に用意しているお嬢様専用のティーセットを取りに行くと、途中ですれ違った料理長に哀れんだ目で見られてしまった。 「お嬢様、本日はダージリンをご用意いたしました。」 「ありがとう、執事…じゃなくてメイド。」 「本当に、そろそろいい加減にしてくださいよ。」 こちらの気も知らずに、いつもと変わらずおいしそうに紅茶を飲むお嬢様。まぁ、その満足そうな顔が見られればいいんですけどね、はい。 「そうだ、お嬢様。せっかくお嬢様が私に素敵な制服をくださったので、私からもお返しをしようと思いまして。」 「ん?執事ったらそんなにメイド服が気に入ったの?」 「いえ、このようなものをくださるぐらいですから…お嬢様も実は着てみたいのではないかとね、思ったのですよ。」 「は?私がメイド服なんて着たいわけっ…。」 「さすがにお洋服はプレゼントできませんが…お嬢様、少し動かないでください。」
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