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そしてキャンプ場のほうでは、
「レンタル旅行も悪うないっちゅうか、めっちゃ楽しいねー!私らに向いとるわ」
「けど、ワシはレンタルやのうて、ホンマモンのオットやで」
「私かてレンタルとちゃうよ~!」
「おお、お前は俺のホンマモンの女房じゃ」
ほろ酔いの英二は口がなめらかだ。
「えへへ・・・あのな、ほかにもな、自前のモンがあるねん」
なにやらちょっと照れている。
英二は鞄から小箱を取り出して亜美に渡した。
小さくたたんで手紙が添えてある。
「これレンタルとちゃうで」
「わ!見てもええ?」
「ええよ。せやけど手紙の方はワシがおらん時にしてくれ」
「わー!」
小箱を開けると、金色の鎖にちびっこい音符型のチャームがぶら下がっていた。
「気に入ったか?」
「うれしー!うれしー!私、うれしー!」
亜美は箱ごと抱きしめてウルウルしている。
「い、いや、そないに大したもんやないねんけど…これ見たときパッとお前の顔が浮かんで・・・・・・これやったら、トレーナーの下につけとっても、そんなに大げさやないし・・・・・・」英二、もうシドロモドロ。
「これまで、ありがとうな」
そういうと「シャワーかかってくるわ」
そう言ってシャワー室に逃げた。大汗かいてるものなあ。
英二がシャワーから戻ってくると、亜美はうるうる泣いていた。
どうやら手紙を読んだらしい。
「ワシ、もう寝るわ」
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