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⭐︎58曲目「今夜だけきっと」
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やっぱこの曲がないと、スタレビのライブじゃない。
懐かしい。
が、
俺はここでハッと気がついた。
今日のライブは古いバンドが古い曲を演ってるんじゃない。
現在進行形の、現在絶賛進化中のバンドが昔作った名曲を演っているんだと。
俺はライブに参戦する前に、ちょっと思っていた。
今日のライブは過去を振り返るライブになるのではないか。
曲を聴いて、その曲をよく聴いていた頃を思い出す、終活のようなライブになるのではないか? と。
周年ライブってそんなものじゃないかと思ってた。
でもその予想は大きく外れた。
今日のライブはスタレビが40年かけて培ってきたパフォーマンス力を世界に見せつける場所のひとつに過ぎなかった。
ほんの通過点。
進化の途中をライブという空間で切り取ったもののひとつに過ぎなかったのだ。
俺らが予想する以上のものをスタレビはいつも見せてくれる。
本当にいつだってそうだ。
そのパワーは未だ衰えず、むしろパワーアップして俺らの心を鷲掴みにするではないか。
確信した。
スタレビは一生オワコンにならない。
俺は一生スタレビを好きでいられる、と。
ラストの曲「今夜だけきっと」を聴きながら、今なおキラキラ眩しい星屑の小劇団を新鮮な気持ちで見つめていた。
スタレビに出会った頃の中学生のときのトキメキをあらためて感じながら見つめていた。
ひとつの光がステージのバックを横切る「今夜だけきっと」のラストのお約束流れ星演出。
要さんが「星が流れるから願い事をして」と俺たちに言った時、俺は迷うことなくこう願っていた。
「また、スタレビのライブに来られますように」と。
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⭐︎ノーカウント曲目「めぐり逢えてよかった」
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58曲演り終わって、オマケの演奏。
最初から決められていた演出といえど、心躍らずにいられない。
また客席がスマホライトの光の海になった。
そういえば、要さんが昔言ってた。
「この音楽の溢れる世の中で、スタレビと出会うことは、プールに落ちたコンタクトを見つけるようなものだ」と。
俺は運が良かった。
中学生の頃、ラジオのプールで泳いでいたらコンタクトの方から俺の中に飛び込んできた。
あの瞬間から、ラジオから流れてきた「One More Time」が耳に飛び込んできたあの瞬間から、俺の世界は色づき始めたんだ。
スタレビが俺のすべてとは、もっと熱心なファンの方たちのことを考えると、とても胸を張って言えない。
でも俺のすべての根っこだと思う。
本当にスタレビに「めぐり逢えてよかった」
ライブ終了後、要さんは言った。
「添い遂げてよ」と。
俺は心の中で「もちろん」と答えた。
ーおわりー
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